首位を走りながら終盤戦で2連敗と失速した一人横綱の大の里と、驚異的な粘りを見せる、返り大関の安青錦。そんな両者が千秋楽相星決戦で賜杯を争う展開となった。

ざわめきのやまぬ場内で、感情を抑えきれず花道でほえた横綱の声が響いた。痛恨の連敗。大の里は取組後、目を閉じながら取材に応じた。「攻め急いだか」と問われると、「そうですね」と短く答えるだけだった。

大関・琴桜との結び。右を差し込み、下手を探りながら寄って出た。だが、腰が高い。琴桜の左にかわしながらの突き落としを食らい、両手が土俵の外を掃いた。

霧島との大関対決。安青錦は右上手を素早く取り頭を付けた。左まわしも引きつけて寄って出る。相手が捨て身のすくい投げに来たところを、体を預けて寄り倒し。「まわしを取って前に出て、目指している相撲が取れた」と手応えを口にした。

左足のけがを長期間抱えており、万全ではない。今場所は4日目から3連敗を喫したがそこから8連勝。11日目の取組後「最後まで盛り上げられるように」と語った通りの展開に持ち込んだ。

一時は大の里の独走かと思われたが、波乱の展開となった秋場所。相星決戦の展望を問われた浅香山審判長(元大関・魁皇)は「勝負は分からない。予想もつかない。見ている人も楽しみだと思う」と笑みを浮かべた。

大の里が最後に綱の重みを示すのか、勢いに乗る安青錦が逆転するのか。千秋楽結びの一番で全てが決まる。

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