リニア中央新幹線静岡工区を巡り、静岡県とJR東海は18日、着工の前提となる自然環境保全協定を締結した。

県の専門部会で示されたJR東海の環境保全措置のほか、不測の事態が生じた場合にJR東海が工事を中断し対策を講じることが盛り込まれた。

県庁であった締結式で鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長が協定書に署名。鈴木知事は、県内を流れる大井川の流量が減少し水利用に影響が出た場合の補償確認書を1月に結んだことに加え、今回の協定締結に至ったことに「大井川の水資源や南アルプスの環境保全に向けた取り組みがより厚みを持った。継続的かつ永続的なモニタリング体制を構築し、住民の不安や懸念の払拭(ふっしょく)に努める」と述べた。

丹羽社長は「一日でも早く着工できるよう鋭意準備を進める。約束した措置を確実に実施し、モニタリング結果など適時適切に公表していく」と語った。

締結式に立ち会った国土交通省の水嶋智事務次官は「環境保全措置の実施状況を確認するなど静岡県や流域の皆さまと連携しながら静岡工区の工事にしっかり関わっていく」と述べた。

JR東海が協定に違反した場合、県は違反の程度に応じて助言、勧告、公表で対応。県は18日付でモニタリングのための新しい有識者会議を設置し、JR東海の報告内容を検証する。

締結式の後、丹羽社長は報道陣に静岡工区の着工時期を問われ、「具体的な時期は未定」とした。リニアの開業時期についても「(静岡工区の)工期の検討結果が出た段階で示したい」と話すにとどめた。

静岡工区を巡っては、工事に伴う大井川の流量減少や南アルプスの自然環境への影響を懸念した川勝平太前知事が着工に反対してきたが、知事交代で議論が進み、鈴木知事は今月7日の県議会で着工容認を表明した。

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