在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。
イラン攻撃とそれに伴うホルムズ海峡危機で米国への信頼が揺らいでいる。国際情勢が緊迫する中、日米関係や安全保障に精通する石破茂前首相は何を思うのか。インタビュー後編では、首相在任中に改定を実現できなかった日米地位協定を見直す具体的な進め方や、日米同盟のあるべき姿について持論を述べた。【聞き手・大場弘行】
◆変わらない。私が防衛庁長官をしていた2004年8月、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落炎上した。ところが、米軍が墜落現場への立ち入りを制限し、日本の警察も自衛隊も入れなかった。中に入れたのは、米軍から注文を受けて配達に来たピザ屋だけだったという話まである。墜落した機体も米軍に撤去され、日本側は検証も十分にできなかった。その後、累次の運用の改善を経て、相当程度わが国の司法権が認められるところまでは来たが、やはり根本的なところで限界があるのではないか。
米軍だって好きで墜落したわけではないが、こうした事故は日本国中どこでも起こり得る。実際、1968年に九州大学に、77年に横浜市内の市街地に米軍機が落ちた。こういう事故が今の時代により深刻な形で生起すれば、日米同盟そのものが危機にさらされかねない。日米同盟が大事だと思うからこそ、地位協定を改定しなければならない。私はそういう立場に立っている。
――日本が管理する施設・区域を米軍が「一時使用」する形態を定めたものです。自衛隊の演習場を日米で「共同使用」するために適用されるケースが多いです。
◆これを活用すれば、今の地位協定においても、在日米軍の基地を自衛隊の管理下に置くことができるのではないか。つまり、自衛隊…